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生野町まちづくり基本条例
前 文
播磨と但馬の国境に位置する生野は、分水嶺として豊かな自然に恵まれ、古くから生野銀山とともに発展し、明治22年(1889年)の町制施行から今日に至るまで独立独歩を貫いてきたまちです。
江戸時代には幕府の直轄地として財政を支え、明治にはフランス人技術者とともに近代日本の礎を築き、その後も日本の経済発展に大きく貢献してきました。また、全国各地からたくさんの人々が行き交う中で、“人みなともに和する”という偕和(かいわ)の精神のもとに多様な文化が融合し、現在でも産業、教育、生活習慣、町並みなどにも生野独自の文化が脈々と息づいています。
生野町では全国における真の住民自治実現へのパイオニアとして、地域づくり生野塾をはじめとする協働のまちづくりが行われており、町民一人ひとりが自己責任のもとに行動しようとする意識が高まっています。
先人から受け継いできた生野の文化を将来へ伝えていくためにも、過去を知り、今を学び、未来を考える中で、生野町民としての夢・希望・誇りに満ちた生野らしいまちづくりを推し進めていく必要があります。
ここに私たち生野町民は、偕和の精神を持って、一人ひとりの基本的人権を尊重し、国籍、年齢、性別等に関係なく、町民が共にまちづくりに参画し、考え、行動しながら、町民自らによるまちづくりを実現するために、この条例を制定します。
第1章 まちづくりの基本原則
(自律共助の原則)
第1条 まちづくりは、町民一人ひとりが自律するとともに、互いに尊重しあい、助け合いながら、継続的、創造的に進めていくことを基本とする。
(情報共有の原則)
第2条 まちづくりは、町民と町及び町民同士がまちづくりに関する情報を共有しながら進めていくことを基本とする。
(参画協働の原則)
第3条 まちづくりは、町民の意思を反映していくとともに、町民と町及び町民同士が相互理解のもとに協働で進めていくことを基本とする。
第2章 町民の権利と責務
(人権の尊重)
第4条 私たち町民は、まちづくりの主体であることを認識して、自らの発言と行動に責任を持つとともに、相互に基本的人権を尊重するまちづくりに努めなければならない。
(学ぶ権利)
第5条 私たち町民は、生涯にわたり学習機会を選択して学ぶ権利を有する。
(社会への参加)
第6条 私たち町民は、地域における様々な活動に積極的にかかわり、社会参加を通して豊かな人間関係の形成に努めなければならない。
(情報を得る権利)
第7条 私たち町民は、行政活動について必要な情報の提供を受け、自ら取得する権利を有する。
(まちづくりへ参加する権利)
第8条 私たち町民は、まちづくりに関して意見等を述べることができ、自らまちづくり活動を行い、まちづくりに参加する権利を有する。
第3章 町と議会の役割と責務
(町長の責務)
第9条 町長は、町民の信託に応えて、この条例を遵守し、誠実かつ公正に職務に邁進しなければならない。
(議会の役割と責務)
第10条 議会は、町民の代表として選ばれた議員によって組織された生野町における最高意思決定機関であり、町民の意思が町政に反映されることを念頭において活動しなければならない。
第11条 議会は、行政活動が常に民主的で、効率的に行われているかを調査・監視するとともに、町の政策水準の向上及び行政運営の円滑化に努めなければならない。
第12条 議会は、議会活動に関する情報を町民に分かりやすく説明する責任を有するとともに、情報公開請求に関しては誠実に応えるよう努めなければならない。
(町職員の責務)
第13条 町職員は、誠実かつ効率的に職務を遂行するとともに、自らも地域の一員であることを認識して町民との信頼関係づくりに努めなければならない。
第14条 町職員は、まちづくりに必要な能力開発と自己啓発に努めなければならない。
第4章 参画・協働の推進
(総合計画等の策定)
第15条 まちづくりを総合的かつ計画的に進めていくための基本構想及びこれを具体化するための計画、並びにまちづくりに関するその他の計画(以下、「総合計画等」という。)は、この条例に沿って策定されるとともに、新たな課題に対応できるように不断の検討が加えられなければならない。
2 町は、前項の総合計画等の策定にあたっては、町民の意見が反映できるように、広く町民の参画を得て策定しなければならない。
(実施、評価段階での協働)
第16条 町は、総合計画等の実施、評価等の各段階において、町民の参画を得て、協働で実行していかなければならない。
2 前項に規定する町民の参画と協働の実行方法等については、別に定めるものとする。
(委員の公募)
第17条 町は、審議会、審査会、調査会その他の附属機関及びこれに類するもの(以下、「審議会等」という。)の委員には、公募の委員を加えるように努めなければならない。
(生涯学習の推進)
第18条 町は、町民の自律を支援し、その社会参加を促進するために生涯学習の機会を確保しなければならない。
(まちづくり活動への支援)
第19条 町は、町民自身による自発的、自律的なまちづくりを促進するために、まちづくり活動を行う団体(以下、まちづくり活動団体という。)に対して、必要な支援を行うことができる。
(活動団体の連携)
第20条 まちづくり活動団体は、必要に応じて連携、協力し、互いの活動の支援に努めるものとする。
(コミュニティの充実)
第21条 町民及び町は、地域に根ざしたコミュニテイの役割を認識し、守り、育てるように努めるものとする。
第5章 信頼される行政
(効率的な組織の構成)
第22条 町は、多様化、高度化する町民ニーズに柔軟、迅速、的確に対応できる組織づくりとともに、行政各分野にまたがる課題等に総合的に対応できる執行体制づくりに努めなければならない。
(情報の公開)
第23条 町は、行政活動に関する情報を町民に対して積極的に提供し、町 と共有するように施策の充実に努め、そのための必要な措置を講じなければならない。
(審議会等の公開)
第24条 町は、審議会等の会議を、原則として公開する。
(説明責任)
第25条 町は、行政活動の内容や意思決定の過程について、町民にわかりやすく説明するとともに、町民から要請を受けたときには、誠実に応答するように努めなければならない。
(個人情報の保護)
第26条 町は、個人の権利及び利益が侵害されることのないように、個人情報の保護について必要な措置を講じなければならない。
(公正な政策評価)
第27条 町は、効率的、効果的で創造的なまちづくりのために、外部評価も含めた検証を常に繰り返しながら行政運営を進めていかなければならない。
(健全な財政運営)
第28条 町は、総合計画等や政策評価と連動した予算編成の仕組み及び中長期的な財政計画を確立し、健全な財政運営を図らなければならない。
第29条 町は、毎年度の予算編成から決算認定まで、町民にわかりやすい方法で公表していくことに努めなければならない。
(行政手続)
第30条 町の機関が行った処分及び行政指導並びに町に対する届出に関する手続について必要な事項は、条例で定める。
(住民投票)
第31条 町は、生野町にかかわる重要事項について、直接町民の意思を確認するために住民投票の制度を設けることができる。
第6章 連携・協力
(町外の人々との交流)
第32条 町民及び町は、町外の人々にも情報を発信しながら交流を深め、その知恵や意見をまちづくりに活用するように努めるものとする。
(他の自治体との連携・協力)
第33条 町は、他の自治体、国及びその他の機関との広域的な連携に努めるものとする。
第7章 最高規範性
(最高規範性)
第34条 この条例は、生野町のまちづくりの基本原理を定めた条例であり、他の条例を制定する場合は、この条例に定める事項を遵守しなければならない。
(条例の体系化)
第35条 町は、この条例に定める内容に即して、他の条例、規則等の体系化を図るものとする。
附 則
(施行日)
1 この条例は、平成14年6月1日から施行する。