「日野市環境基本条例」の経過

基本情報 自治体名 東京都日野市
提案主体 日野・生活者ネット内「市民がつくる環境基本条例の会」
TEL:042-593-9433 FAX:042-593-9414
条例案の名称 日野市環境基本条例案
提案の方法 直接請求
提出年月日 1994年12月27日
条例案の概容

第一章 総則
第一条(定義)/第二条(市民の権利)/第三条(市の責務)/第四条(事業者の責務)/第五条(市民の責務)/第六条(市民の申出)

第二章 環境基本計画等
第七条 (環境基本計画)/第八条(策定手続)/第九条(環境配慮指針)/第十条(準用)/第十一条(普及等)

第三章 環境の保全に関する施策
第十二条(施策の策定等に当たっての義務)/第十三条(総合調整会議等)/第十四条(環境影響評価)/第十五条(規制の措置)/第十六条(誘導的措置)/第十七条(施設の整備等)/第十八条(廃棄物の減量 等の推進)/第十九条(民間団体の自主的な活動の援助)/第二十条(調査及び研究の実施等)/第二十一条(監視等)/第二十二条(情報の提供)/第二十三条(環境学習等の推進等)/第二十四条(年次報告)/第二十五条(地球環境保全)

第四章 事業者の義務等
第二十六条(事業者の義務)/第二十七条(大規模事業者の義務)/第二十八条(勧告)/第二十九条(開発事業に対する措置)

第五章 日野市環境審議会及び日野市環境調査会
第三十条 (日野市環境審議会)/第三十一条(日野市環境調査会)

第六章 雑則
第三十二条(委任)

附則

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条例案の特徴
  • 市民の申し出制度
  • 市民参加の環境基本条例
  • 環境影響評価
  • 環境審議会への市民参加
提案のきっかけ・背景

 92年に清掃条例の改正(リサイクル条例)があり、「改正した都条例と99.9%同じ」という理由で市民の意見を聞くこともなく作った行政の姿勢に疑問を持つ。
 その後市の基本構想に対する市民案をイメージした「市民が作るまちづくりマスタープラン」の活動を立ち上げたが、そこでも「環境」への市民の関わりの必要性が共通 認識となった。

議会提出までの経緯 立案の過程

「環境」というテーマ性からいって、市民の意識が変わらないと環境も変わらないという考えから、直接請求による提案を決定。東京生活者ネットワークが生活クラブ生協に呼びかけて実行委員会を作り、環境に関する「ひとこと提案」を募集。他の市民や市民団体に呼びかけて「環境基本条例をつくる会」を結成し、学習会やタウンウォッチングを実施した。
 これらの結果を基に、東京ランポに条例文作りを依頼、素案を「つくる会」で検討。行政の担当(環境部)には事前に予告し、議会の各会派にも賛同を求めた。しかし市職員や自民党の議員などが非常に抵抗感を示した。「直接請求」に対する感情的な拒否反応もあったが、それはともかくとしても、既存の環境関連の条例等との関係性については反論などに答えられるよう整理を行った。

直接請求運動の経緯

 有効署名数2900に対して目標を8000筆としたが、最終的に1万6000以上の署名を得ることができた。マスコミに積極的に情報を提供し取り上げられたことが署名にも有効に働いた。
  駅頭での署名集めでも男性の協力者が多かったのが特徴的で、日野市という地域性と環境というテーマ性が合ったと言える。

提出後の経緯

議会審議の状況
  1. 1994年12月27日に条例案は、市長が「時期尚早」という理由で「反対」意見を付して上程
  2. 審議については特別委員会の設置という案も出されたが、結果的に総務委員会に付託となった
  3. 総務委員会では5回の継続審議を経て、所属委員から修正案が提示された
争点となった点
  1. 市のリサイクル施策を盛り込むか否か
  2. 環境オンブズの設置を盛り込むか否か
  3. 他の条例との整合性
審議結果 賛成多数で修正案を可決(1995年○月○日)
審議中の運動の経緯
  1. まずは否決させないことを優先させ、極力市民案に近いものにするよう議員などに働きかけた。
  2. 「つくる会」として学習会を企画し議員にも声をかけたが、審議中の案件に関し市民の企画した勉強会に参加することには相当の抵抗があったようで、良い反応はなかった
  3. 一部会派から行政から対案を出させようとする働きかけや、議員提出の対案を提出しようとする動きもあったが、直接請求を否定するような前例とならないよう懸命に阻止した。
まとめ 反省・課題
  1. 修正とはいえ、市民案の4本の柱はそのまま残り、市民提案が実ったと評価できる
  2. 直接請求ということで市民の関心が盛り上がり、施行後条例に基づく環境基本計画の策定には市民109人が応募し、五つの分科会からなるワーキンググループで検討された計画はほぼ原案が尊重される形となった
  3. 直接請求という手法に対して、市長が、反対か賛成かの意見しか付せないというのが問題。環境のようなテーマに関してはもっと柔軟な意見の述べ方があってもよい
情報提供 石川のり(市民福祉サポートセンター)

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