「吉川町まちづくり基本条例」の経過

基本情報 自治体名 新潟県吉川町
提案主体 吉川町議会
条例案の名称 吉川町まちづくり基本条例
提案の方法 議員提案
提出年月日 2003年3月19日
条例案の概容  住民、議会及び町が情報を共有し、協働して、まちづくりの基本理念と目標を実現するための原則・手続きを規定している。住民、議会及び町のそれぞれの責務と役割についても規定した。
 本条例をすべての条例を束ねる上位条例として位置づけ、条例施行後、4年を超えない期間ごとに見直しをすることにしている。

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条例案の特徴
  1. 前文では、町の地形や歴史、まちづくりの歩みに触れ、吉川町の個性を浮かび上がらせるようにしている。
  2. まちづくりの基本理念と目標を現行の町総合計画と整合させて具体化。
  3. まちづくりの基本原則として、@男女共同参画、A子ども参画、B情報共有、C協働の4つを掲げた。
  4. 住民と町だけでなく、議会についても責務と役割を規定。
  5. まちづくりの主体が住民であることを明確にし、住民の権利を規定。
  6. まちづくりの基本システムとして、@計画策定、A情報、B評価、C財政、D住民投票、E連携をそれぞれ独立した章を設けて規定。
  7. 親しみやすさ・分かりやすさを追求し、条例全文を「です、ます調」にした。
提案のきっかけ・背景  2001年(平成13年)3月議会で地方自治情報誌『ガバナンス』掲載のニセコ町の取り組みが話題となり、同年8月、全議員で同町を視察研修。情報の扱い、職員研修などの先進的な取り組みに衝撃を受けた。
 議会ではすでに地方分権時代にふさわしい取り組みなどに着手していたが、行財政運営全般にわたる改革の必要性を意識し、議論が始まっていた。
 同年の9月議会で、議長を除く全議員による「住民自治に関する調査特別委員会」を設置、まちづくり基本条例制定を目標に調査・研究をスタートさせた。

議会提出までの経緯 立案の過程

◎住民自治に関する調査特別委員会の活動(2001年9月20日設置、任期満了を迎えるため2002年10月21日解散、議会改選後の2002年12月19日設置、2003年3月19日解散、延べ20回開催)

2001年10月1日
正副委員長の互選
2002年1月10日
委員会の今後の進め方。任期満了までに制定の確認基本条例の策定」
2002年1月10日
中央大学辻山幸宜教授より講演「住民自治基本条例の策定」
2002年1月28日
1月10日の講演の感想について意見交換
2002年2月8日
ワークショップ方式で基本条例の理念について意見交換
2002年2月20日
基本条例に対する思いを深めるためワークショップで見交換
2002年3月19日
札幌地方自治研究会の「自治基本条例の構成モデル」、辻山教授の「自治基本条例の設計」にもとづいて条例の構成・内容について意見交換
2002年3月28日
「なぜ自治基本条例をつくるのか」について各委員が熱い思いを発表。正副委員長・事務局で素案作成の確認
2002年4月24日
「吉川町まちづくり基本条例(仮称)」委員長の私案ver1.0について説明、意見交換
2002年6月10日
「吉川町まちづくり基本条例(仮称)」試案ver1.0について説明、意見交換
2002年8月1日
辻山教授より委員会の審議経過の説明、アドバイスを受けた事項の報告。「吉川町まちづくり基本条例(仮称)」試案ver1.0についての町側が意見提起
2002年8月8日
辻山教授より「吉川町まちづくり基本条例(仮称)」試案ver1.0についてのアドバイス
2002年8月19日
「吉川町まちづくり基本条例(仮称)」試案ver1.0及び町側の案について意見交換
2002年10月21日
「吉川町まちづくり基本条例(仮称)」試案ver2.0について意見交換。この試案を改選後の議会に申し送ることとし、委員会を解散
2002年12月19日
住民自治に関する調査特別委員会設置、正副委員長を互選
2003年1月9日
改選前の経過報告、「吉川町まちづくり基本条例(仮称)」試案ver2.0の説明、意見交換
2003年1月21日
「吉川町まちづくり基本条例(仮称)」試案ver3.0の説明、意見交換
2003年2月24日
住民懇談会で出された意見等の報告。条例試案の中で整理すべき事項の確認。
2003年2月5日
 議会だより「まちづくり基本条例特集号」No.1発行
2003年3月5日
議会だより「まちづくり基本条例特集号」No.2発行
2003年3月14日
「吉川町まちづくり基本条例(仮称)」試案ver3.0と試案ver4.0との比較対照表によりver4.0の検討
2003年3月19日
「吉川町まちづくり基本条例(仮称)」試案ver5.0。これを成案とし、3月定例会で議員提案することを確認。委員会を解散。
住民懇談会の経過
  1. 2003年2月18日(町内8会場)。2003年2月23日(町内1会場)。参加者合計196名。
  2. 住民懇談会の目的は、「吉川町まちづくり基本条例試案ver3.0」と日頃の議会活動について住民の声を聞くこと。
  3. 出された意見・提案は条例関係で54件、その他41件。条例に関する質問・意見などで多かったのは、合併との関連、まちづくりの協働。
  4. 出された意見・提案の特徴 
    1. 意見・提案をのべる人は全体として条例試案をよく読んでおられた。
    2. 専門的で具体的な提案が数多くあった。
  5. 懇談会に先立ち、「吉川町まちづくり基本条例試案ver3.0」(説明付)掲載の議会だより特集号を発行した。また、懇談会で出された意見・提案については、議会としての回答も付けて議会だより特集号を発行した。
  6. 住民懇談会の結果を受けて、「吉川町まちづくり基本条例試案ver3.0」を大幅に修正、「吉川町まちづくり基本条例試案ver4.0」を作成した。 

提出後の経緯

議会審議の状況

施行期日と町長の「まちづくり基本条例」に関する姿勢を確認する質疑が1件あったのみ。町長は「制定されたその日から施行という気持ちでのぞむ」と答弁した。

争点となった点

特になし

審議結果 全員賛成で可決(2003年3月19日)
まとめ 反省・課題

 住民懇談会はもっと早くからやってもよかったと思う。厳しい声もあったが、住民の声を聞くことの大切さを全議員が確認できた。
 今後の課題としては、条例施行までに町役場法務担当による解説づくり、住民への周知宣伝などがあげられる。子どもの参画をまちづくりの原則の1つにしたことで、子どもたち向けの「まちづくり基本条例」解説書も検討すべきと考えている。
 町議会としては、久々の本格的な条例づくりとなった。委員会活動において大学研究者などのアドバイスをうけたこと、ワークショップをとり入れた審議をしたこと、住民の声を聞く場を設けたこと、議会だより特集号を3回も発行したことなどは、議会史上初めてのことだった。苦しさを伴ったが、振り返ってみると、楽しいこともたくさんあった。これからも条例づくりに挑戦していきたい。

情報提供 橋爪法一(吉川町議会議員) 2003.7.22

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